中米旅行記/コスタリカ



〜円高と物価高〜

リバスからコスタリカ国境へはそんなに時間はかからなかった。

ようやくニカラグアを出国しコスタリカのイミグレに向かった。
やっと着いたよコスタリカ。

僕は旅っぽい雰囲気を出したくなり、爆風スランプの音楽を聞きながらコスタリカのイミグレを目指して歩いた。陸路で国境を越えることは旅をしている気分になれる一番の要素になる。

コスタリカ国境

コスタリカのイミグレは出国チケットやイエローカードの提示を求められるということを聞いていたがそんなことは一切なくそのままスタンプを押され無事入国を果たした。国境からサンホセ行きのバスは頻繁に出ているようですぐにバスは出発した。

炎天下の中イミグレを歩き回っていてこの暑さが嫌になっていたのでバスの中の風が妙に心地よかった。このまま6〜7時間バスに乗っていれば何の問題もなくサンホセに着くと思うと安心した。

これで無事に着けば、中米ではバス強盗に会わず、無事に終えることになる。今まで「どうでもいいどうでもいい」と思いながらも内心バス強盗にはかなり神経を使っていた。強がっても強盗に襲われて旅が終わることだけは絶対に避けたかった。



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夜になり、バスはサンホセに到着した。サンホセは涼しかった。僕は宿を目指してタクシーに乗り、コカ・コーラ地区にある安宿を目指した。僕の持っている地球の歩き方は古く、中米すべての国のすべての宿で値上がりしていたが、ここも同様だった。シングルとドミトリーの値段が一ドルしか違わずドミトリーには誰もいなかったのでラッキーではあったが、ニカラグアの宿より2倍くらい高かった。

コスタリカと他の中米の国との一番の違いは比較的治安がいい所である。夜出歩いてもそんなに問題ない。夜出歩けることは嬉しかったが、冷静に考えて夜出歩けるだけで嬉しいと思えるのなら日本に帰れば僕は毎日歓喜しまくりだろう。

・・と思ったら、コスタリカは他の中米と同じように夜は明らかに治安が悪そうだった。アメリカのスラム街のように、売春婦や怖そうな人たちがたむろしている。結局コスタリカも中米なのだと思い、夜出歩くのは辞めた。



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コスタリカのセントロの辺りは特に何かがあるわけではなかった。ニカラグアやエルサルバドルに比べて発展していて先進国のようになっている。人も普通、街も普通、教会も普通、公園も普通、市場も普通、カテドラルも普通、何も好奇心を満たすものがない。それよりもコスタリカの自然、国立公園のほうが楽しかった。ポアス火山国立公園にバスで1時間ほどかけていき、もののけ姫のような森の中を歩いた。

コスタリカ国境

この森を抜けると火山や湖が見える・・・はずだった

真っ白、何もない、真っ白。

コスタリカ国境

雲に隠れて一切見えなかった。でも、ここで不満や文句は出なかった。僕は旅を続ける中でその国に対しての不満を言うことがなくなっていた。諦めともいえる。

国立公園以外に特に見るものはない。僕はただただセントロを歩いて何もしなかった。それよりも毎日の生活が大変だった。コスタリカに限らないが旅をしている時は日本で普通に生活をするよりもすべてのことにエネルギーを使う。日本だったら当たり前のことが当たり前にならない。

シャワー一つとっても水しか出なかったりする。暑い場所で水シャワーは別に問題ないが寒い所での水シャワーはきつい。幸いにもこの宿はあったかいお湯が出た。が、暑すぎたり冷たすぎたりして調整が大変だった。

エルサルバドルで降ろした300ドルがなくなりそうになってきたため、僕はATMでコスタリカの通貨、コロンの現金を下ろそうと思ってレートをネットで調べたら、ドルがとんでもないことになっていた。

Yahooニュースの経済面、「11ヶ月ぶり、円84円台へ」・・・・僕がキューバにいた頃円は最大76円まで上がっていた。それがこの数ヶ月で8円も下がっている。とにかく今だけは、僕が旅をしている間だけは円高でいて欲しい。円高で日本がどんなに不況になろうとかまわないから円高になって欲しい。と自分勝手なことを考えた。

しかもコスタリカは物価が高い。普通の安食堂で普通にご飯を食べると5ドルくらいする。ニカラグアは2〜3ドルくらいである。5ドルを84円で計算すると420円。一食420円。普通に松屋や吉野家より高い。

この物価高と円高は僕にとって死活問題だった。早く、物価の安いボリビアへ行く必要があった。幸いにもコスタリカの滞在日数は5日ほどですぐに出発の日はやってきた。僕は空港へ行き、計算外の出国税28ドルを支払いイライラしながら経由地のパナマに向かった。

いよいよ、待ちに待った、南米だ。

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