RAKUIE三軒茶屋



〜語り〜

毎日が修学旅行。そんなことを昔だれかが言ってたのを思い出した。

このゲストハウスに来てからその言葉が身にしみてわかるようになった。毎日のように誰かと一緒にご飯を食べ、話をして、屋上で飲む。

帰国してからゲストハウスに来たのはお金がないから。そしてオークハウス大塚がクローズすることになり、交通費の関係で、つまりお金を節約するためにRAKUIE三軒茶屋に来た。
そんな、言ってみればマイナスの意味合いでこの家に来たわけだけれど、今確信を持っていえる。このゲストハウスには自分にとって大きなプラスの価値がある。

普段の何気ない会話・帰ってきたときにおかえりと言ってくれる仲間たち。嫌なことがあったときに話を聞いてくれる人たち。人生をどう生きていくかっていうものまじめな事から住民税が高いとかどうでもいいことを笑いながら話し合う日々。

時には自分の未熟さでイライラしてしまって喧嘩したりすることもあったけれど謝ってまたすぐに仲良くなって、また話して、、、それを日々繰り返している。
みんなそんなにお金はないけれど、それぞれの生活があり夢がある。そんな彼ら・彼女らの顔は心のそこから人生が楽しそうであり目がきらきらと輝いている感じがする。

朝まで飲む⇒寝る⇒ご飯を食べる⇒仕事行く⇒飲む、、、、、を繰り返していた。あの屋上・あのリビングで何回夜を明かしたのだろう?そしてどれだけのお酒を飲んだのだろう?どれだけの時間はなしたのだろう。
荒れ荒れMAXな毎日。ファックな毎日。最強に楽しい毎日。

この家で仲がいいのはすべて女性である。何人の女性とこの数ヶ月で仲良くなっただろう。この家で何人に自分自身の過去や未来や今を語ったことだろう。特にビジネスに燃えているFとYUさんとSとは本当に仲よくしている。こんなに多くの人にこんなに多くの時間を使って話を使ったことは今までの人生にない。ある意味人生最大のモテ期とも呼べるこんな素晴らしいことを経験できたことを本当に運命に感謝したい。最高に楽しく最高に幸せである。周りにいる人全員に本当に感謝している。

本当は、、、毎年毎年この季節は憂鬱になる。なぜか理由はわからないけれどいいことがない、一年で一番嫌いな季節。いつもだったら5月の終わりから8月の半ばまで続く夏の憂鬱。テンションが下がり、気持ちが不安定になって友達との付き合いが面倒になり、さらに自分の考えがぐちゃぐちゃになって分けがわからなくなってだんだんと友達も嫌になっていく、いやなスパイラルが続く季節である。去年も大変だった。

そんな夏の憂鬱を吹き飛ばしてくれているのがこの家。この家賃38000円で光熱費+ネット代込みっていう世田谷区ではありえない、普通の人から見たら底辺の生活のように見えるこの家。誰がなんと言おうともかまわない。自分の価値観において、最高の家である。みんな本当に本当にありがとう。派遣会社と色々と問題はあったがすべて解決した。むしろこれが夏の憂鬱というのなら、夏の憂鬱もいいものだなと。何にも問題がない。色々と問題はあったがこの程度の問題は問題ではない。今年の楽しさは最強である。この家を選んだことは自分の人生において前回の旅でインドを選んだのと同じくらい最高の選択であった。




ある休みの日、同じ家のSと渋谷にいくつもりで246を渡っていると隣の目黒川が気になりそのまま五反田まで行くと言う体を張ったギャグをした、次の日はYと新橋のお洒落な飲み屋に行った。

SもYも恋人でも夫婦でもなんでもないけれど、最高の親友である。自分の特性上、女性とものすごい仲良くなる。それが男女の関係にならない。この感覚は分からない人には分からない。二人には本当に感謝している。

2010年、一人の人を好きになり、その歪んだ好きと自分自身の劣等感に対して悩んで悩んで、いつしかそれは自分の人生を考えるきっかけになり、人を想うことに繋がっていった。

2011年なり、人生最大の楽しさをを得ている今、毎日毎日が楽しくて楽しくてしょうがない今、僕は人を想うことを覚えた。そしてそれを実践し、それは確実に愛や思いやりに変わった。自分の意思を明確にしながらも、(いや、明確にしているからこそ、人を想う余裕が生まれる。)確実に大切な仲間を想ってる。 家族のような愛情である。

Nさん・・・あの時の貴方を超える人なんていないって思ってたけど、ここに貴方を超える逸材がいるよ。・・・それも二人同時に。

Yとは何時間語り合っただろう?話せば話すほど絆は深まる。
あの夏の夜の出来事は忘れられない。

ある日、2階でスペイン語の勉強をしていたとき、突然Yがやってきた。Yは泣いていた。とりあえず屋上に行った。Yはずっと泣いていた。それをずっと見守っていた。それだけでいい気がした。

しばらくしてYは話し出した。そしてYの恋愛関係の相談に乗った。それはそのままお互いの生き方の話しになり、朝まで話をしていた。二人で朝日を見た。その朝日は東京とは思えない、奇跡のようなすばらしい色だった。

話をしていてYのことが大好きになった。Yも僕のことが大好きになったと思う。二人の絆はさらに深まった。





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「早く旅立ちたい。」
機は熟した。会社を辞める時期も決まっている。もう旅立ちたい。まずはメキシコ。いろいろと考えて考えて考えて考えて、ようやく決めた。最初の国はメキシコ。考えた結果を形にできるように。準備をしよう。

ただ、今回の旅立ちは前回とひとつだけ違うところがある。
それは、前回はそのときの生活を壊したかったということ。今ある現実から逃げたかったということ。今回は生活を壊したくない。この生活を変えたくないと思っている。 今の生活は最高だ。誰が何を言おうとも人生のなかで最大最強に最高だ。本当は変えたくない。

でもこの最高すぎる生活はこれから見える旅があるから生まれているものだともいえる。旅という前提があり、今の人間関係、やっていること、自分の考え方すべてが作られている。

そしてこの素晴らしすぎる環境を破壊する。そしてまた新しい環境を創り出す。もっと高いところにいる自分に出会いたいし、まだ知らない世界を見たいから。でも何年か後に、2011の三軒茶屋は本当に最高の年だったなって言えるように。最高の思い出を一つ一つ噛みしめよう。

3年前にインドに旅立ったとき不安でいっぱいだった。でも、それ以上に希望でいっぱいだった。そして旅が終わったとき、自分が大きく変わっていて、見える世界が変わっていて、新機軸となる目標が見えていて、今までずっとずっとそこに向かって考えて考えて走り続けてきた。

今もまた同じようにちょっとの不安と大きな希望を持って旅に出ようとしている。そして旅から戻ってきたとき、また自分が大きく変わっていて、見える世界がまた変わっていて、そこには新機軸となる目標が見えていて、そしてそこに向かってまた考えて考えて走っているのだろう。

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