旅をしながら日本語教師になるには





~日本語教師~

日本語教師になろうと思ってもすぐになれるわけではない。

僕は日本語教師になるためにどうすればいいかをネットで調べた。

色々なサイトを調べると大体、、、、、
資格を取得⇒インターン・アシスタントなどで2年ほどの経験⇒各国の募集要項などに応募。
というような流れになるらしく、この流れノートに書き、頭の中に入れた。

まずは日本語教師の資格を取らなければならない。

日本語教師の資格を取るには大学で日本語教育を専攻する、日本語教師検定試験を受ける、日本語教師養成講座を420時間分受ける。という3つの方法があるが420時間の講座を受けるのが一番現実的であった。

通常50万円ほど払って日本にある学校に半年から1年程通い修了するのが一般的だがどうやらネットで受けれる通信講座もあるようだった。費用も安い。この治験マネーの半分以下で受けることが出来る。

Googleを駆使して通信で420時間の講座をやっている学校をしらみつぶしに探した。全部で5~6校あったがどこも値段が全く同じで何が違うのかは分からなかった。とりあえず授業の形態や進め方なども分からないのでメールで各校に問い合わせることにした。

2、3日でいくつかの学校はメールは返ってきた。返事はどれも同じ内容だった。

Q1: 確認ですが、420時間がWebにて修了できると考えてよろしいですか?
A1:はい、その通りです。

Q2-1: 教材をドイツに郵送してもらうことは可能ですか?
A2-1:はい、世界中どこにでも郵送できます。

Q2-2:また、PDFファイルにして郵送してもらえれば助かりますが可能ですか?
A2-2:残念ながらそれはできません。

Q3:クレジットカードで支払いをした場合、 大体どのくらいの期間で課金されたかを確認していただけますか?
A3:分割の場合はお申し込みと同じ日の一ヵ月後(二ヵ月後・・)です。 月ごとに課金されます。

Q4:インターンは修了後、ある程度時間が経過してから申し込むことも可能ですか?
A4:インターンの紹介は行っておりませんが本校の代理店でもある*******がインターンを紹介しておりますので、もしご興味があればこちらから先方に連絡することはできます。お気軽にお申し付けください。

Q5: インターンは他の学校で修了した場合でも可能ですか?
A5:****に関する限りでは問題ないと存じます。

Q6-1:修了できない場合はありますか?それはどういう場合ですか?
A6-1:ご本人にやる気がある限り修了できます。ですから、ご本人にやる気がなくなった場合ができないということになります。

Q6-2:インターネットで授業を受けれる期間は最大どのくらいですか?
A2-2 :一般通信講座は有効期限が1年(通常10週間で修了可)、マスター講座は2年(通常4ヶ月~8ヶ月で修了可)あります。

----

どうやら教材だけはインターネットでやるわけではなく郵送しなければならないようだった。僕は治験のコーディネーターに確認をしてドイツの病院に教材を送ってもらうことにした。後は教材に入っている教科書とCDやDVDを見て勉強して課題をWeb上で提出して添削してもらい、420時間分の課題を合格すれば資格はもらえる。

あとはやるだけ、僕は最後の最後までどこの学校にしようか迷ったが、最後は直感で決めた。インターンシップなどを併設している学校にしようと思ったが、なんとなくインターンや募集は自分で見つける方がいいと思った。

本当は旅中に資格を取って日本に帰ってから青年海外協力隊に応募するのがベストであることは分かっていた。あれなら2年間、住むところを探す必要はなく、なおかつ給料もでる。だが、僕は数年前に健康を理由に青年海外協力隊の試験に落ちたことがあった。書類審査を受かっても、どれだけ能力と技術があっても、健康がよくないと青年海外協力隊には受からない。

1年程前にメキシコで僕は日本語教師に出会い、そこで色々と話を聞いたことを思い出した。彼とはその後も連絡を取っていたのでメールを送りスカイプで話した。そうするとやはりどうしてもその資格を取った後の話になる。彼は僕に協力的だった。僕は彼に感謝し、また今度会って色々と話しましょうと言った。やはりその後の2年の経験をどうするか、ワーキングホリデービザを取ってやるのか、それまでお金はあるのだろうか、、、などと先のことを考えた。

だが、まずは日本語教師の資格をとらなければ始まらないと思い、緊張しながらも僕は支払いをして申し込みをした。

年末に国会は解散され、新しい総理大臣が選出された。大胆な金融緩和を謡っている現政権が成立すると同時に、円売りは加速し、現在も考えられないくらいにドル・ユーロは値上がりしている真っ最中だった。この日本語教師養成講座の料金もオーストラリアドルでの支払いになるため数ヶ月前と比べて数万円ほど高くなっていた。だが、治験の謝礼をユーロでもらうためそういうことはあまり考えないようにしていた。

こうして1週間から2週間で病院に教材が届くことになった。後は治験中に勉強して、治験の後はモロッコか、もしビザが取れればアルジェリアで引きこもって勉強をしようと考えた。

旅中に資格を取るということは多分やる人は少ないと思うが、だからこそ面白いとも思えた。今はネットがありどこでも日本にいるのと同じように何でもできる。それを証明したかった。実際、年末には通信でできるということは知っていたが、ここまで遅れたのは旅に集中できなくなることを恐れたからだった。

だが、僕は観光をするために長期旅行をしているわけではないというはっきりとした事実があった。旅に集中という言葉は僕にはなくなっていた。旅というものはそんな尊大なものでもなんでもなくニートがただ世界中うろうろしているだけという事実を受け入れるようになった。僕はあくまで世界中で生活しているだけであり、生活しているのだから資格の勉強をするのはなんら問題がないという結論になった。

教材が届くのに時間がかかることに焦ったり、まだ資格を取った後に何がどうなるか全く分からず不安は付きまとうけれど、どこか安心感はあった。

それは焦らずあきらめず、一日一日を生きることでまた次の展開は見えてくるものだということを人生経験から体で覚えたからであり、また、やるべきことが見え進むことが出来るという変えようのない事実があるからであった。

また、旅をしながら日本語教師の資格を取るという新しい試みをやっていることは楽しくもあった。

まずはやるべきことをやって、そこから起こりうる変化の中で自分を変化させていこうと決めた。

TOP      NEXT


inserted by FC2 system