〜Wワーク(前編)〜派遣先から労働時間の延長は不可であるとの連絡が来たことで、社長に対して不満をもらした。労働時間を長くしてくれるというから自分はこの会社に決めたということを何回も何回も伝えた。 社長は分かってくれ、代わりに午前中に同じような仕事を斡旋してもらうということになった、午前中は●●(通称●●)、午後はいま働いているお客さま相談センター。午前8時から20時までの労働時間である。 ようやく、ようやく長時間働ける。お金が貯められる。 ・・・やっと兆しが見えかかったころだった。 ・・ある日●●の研修を受けてた時、お客様相談センターのセンター長・●●に見つかった。
???自分は派遣会社の言うとおりやっただけなんだが・・・ 派遣会社の社長に電話した。
・・・どういうこと?派遣会社の連絡ミスで自分はクビになるのか??今まで半年も働いていたのに??何で自分だけがこういう風になるんだろう?って思って悲しくなった。辛くなった。 土日は結局何もできなかった。せっかくライブモカっていういいサイトを発見したのに英語の勉強も手付かず、友達と電話してネットをして漫画を読んでだらだらすごす休み。この休みの間にも本当だったら働けたのに。 Nさんと電話した。妊娠していてそんなに体調がよくないにも関わらず仕事場の話をする。そして自分のフォローをしてくれる。このフォローが辛い。自分の中にあるよくわからないプライドが傷つけられた。辛くて涙が出た。 金銭的に自分にできることが限られている気がする。南米もオーストラリアもユーラシアも行きたい。けどもしかしたらどれかあきらめることになるかもしれない。 でも、まずは自分にできることを地道にやろうと思った。人に対して不平不満を言ってもなにも始まらない。新しいところで働く場合、これから時給下がるけど、それでも一生懸命やろうと思った。 地道にやること、、、、自分に一番足りないところだと思う。すぐに大きい方へ大きい方へと妄想が膨らんで現実が追いつかなくなる。 でも、一つ一つを積み重ねることで、それが大きなものになると確信できる。言い訳になるかもしれないけど、法律を犯してまで、自分の信念を曲げてまで、人道的に外れたことをしてまで夢は追わない。でも夢は追い続ける。 物事に一喜一憂しててもしょうがない。ないことを嘆くよりあるものでどうしようか考えよう。 とりあえず準備しよう。旅に出たとき、準備してて良かったと思えるように。語学でも情報集めでも読書でもやるべきことはたくさんある。 歩き続けよう。今の現実を受け入れよう。それが旅にでた未来になって、あの時ほんとに頑張ってて良かったと感じるだろう。 ------ 数日後、社長は●●と交渉し、Wワークをしてもいいことになった。ラッキーというよりは何で社長がやっていいといったことをやっただけなのにクビになりかけたことの方が不満だった。 久しぶりに職場に戻った。●●に謝りにいかなければならない。自分が何か悪いことをしたわけでもないのに謝りに行くのは嫌だ。 でも、将来の旅のためにお金を貯めていると考えれば別に何でもない気もする。 派遣会社に理不尽な対応をされたことで怒り、悲しみが込み上げてきた。
インドにいたときカルマという概念を学んだ。日本語で自業自得とよく言われる。 自分が笑ってればまわりも笑う。自分が悲しい顔をすれば回りも悲しい顔をする。自分が優しくなければまわりは優しくしてくれない。自分の態度が悪ければ周りの態度も悪くなる。 いいことも悪いこともそう。自分がいいことをしていれば時間はかかってもそれはまわりに伝わる。自分が悪いことをしていればそれはまわりに伝わる。自分の行動は必ず自分に返ってくる。 地道に愚直に一つ一つを一生懸命やること。それしか道はない。 ------ こうしてWワークは始まった。 初めは長時間労働もつらかったが段々と慣れてくる。1ヶ月で結局4日間しか休んでいない。それでもまったく苦にならない。旅にでるって思えればどんなことも簡単に乗り越えられる。いつ、どうなるかわからないけど、前を見ていこう。そしてこの瞬間を楽しもう。 この少ない休日の中、Nさんと食事をした。妊娠していて体調が悪く、今までなかなか会えなかった。仕事のことで疲れが出て、良く分からないネガティブな感情になって心を痛めることもあったけど、もう終わりにしようと思う。信頼できるお姉さんとして慕っていく、もう迷わない。 1ヵ月後、給料を見た。単純計算で今まで倍の給料になる。
やっと見えてきた。 帰国したとき、お金がなくて、治験とかオーストラリアでワーホリしてすぐに貯めるとか夢みたいなこと考えてて全然実現しなくて、、地道に働いても働いても計画が大きくなりすぎて全然お金が足りなかったけど、、そして、計画がなかなかまとまらなくてわけわかんなくなってたけど、、 ちょっとづつちょっとづつ計画が現実に見えてきた。 奇跡は起こった。
この不況の世の中で、ヒッピーみたいな汚いかっこして、ロン毛で、12時間も働かせてもらってお金を貯めれていること、そしてそのお金で世界中の素敵なものを見ようとしていること、これは奇跡だと思う。 後ちょっと、この奇跡を楽しんで、旅に備えよう。
------ そんな矢先、社長からメールが来た。
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